【ミカン箱3】マンガ大賞にノミネートされた作品群・1次選考作品 その1

昨日に引き続き,漫画大賞関係作品をご紹介する。

1次選考作品については,相当数あるため,少しずつ,かつ,読んだことのある漫画をご紹介していくことにする。

 

再度予めお断りしておくが,当職は一介の漫画好きに過ぎないため,

偏った趣向で好きな漫画を読み散らしているに過ぎない。

したがって,1次選考作品を網羅的に読了しているわけではない。

大変恐縮であるが,あらかじめご了解されたい。

 

漫画大賞ホームページ上に記載されている,1次選考作品中,

左上から順にご紹介して行こうと思う。

 

樫木祐人著「ハクメイとミコチ」

★★★★☆

左上からご紹介,などと大上段な態度でスタートしたものの,相当数の漫画を読んでいなかったため,いきなり大分飛ばして本作品。

絵柄について,キャラクターは可愛い系ど真ん中,マスコットキャラ的な書き方である。

他方,キャラクター以外の絵柄は,超絶技巧。

嘘のような上手さで密度の濃い絵柄である。

ストーリーは,主人公たちのものづくりな日常を描くものであり,ほのぼの系の漫画。

たとえるならNHKの「猫のしっぽ カエルの手」的な日常である。

ストーリーらしいストーリーはないし,物語に大きなヤマはないが,

優しい気持ちで読める漫画。万人受けしやすそうと言う意味では今後ランキング入りするかもしれない。

しかし,この作者,絵がうますぎる。

 

三浦靖冬著「薄花少女

★★★★☆

見た目は少女(幼女?)中身は老婆という特殊設定の漫画。

以前少しご紹介した。

独特の絵柄は,三浦先生ならではの雰囲気を出しており,

ハマる人にはガッツリハマると思われる。

もし興味を持たれたのであれば,是非一度試し読みなどしてみてはいかがであろうか。

ストーリーは,基本的に穏やかそのもの。

今のところラッキースケベ未満レベルの接触しかない。

 

中田春彌著「Levius est」

★★☆☆☆

なぜか逆びらき?の漫画。

通常と逆に読むためちょっと戸惑う。

絵は当職が好きなガサガサ系の絵柄だが,ちょっとわかりにくいところがあるかも。

絵は上手いのだろうし,センスも感じられるが,

もう少しわかり易さを追求すると読みやすくなるかもしれない。

弐瓶勉先生の「バイオメガ」「アバラ」「BLAME!」→「シドニアの騎士」的な化け方をすればバカ売れしそうな気がする。

 

綿貫芳子著「オリオリスープ」

★★☆☆☆

最近はやりの食べ物系漫画。

絵は魅力的だが,ちょっとストーリーはまだかなぁ,という感じ。

どうにもこうにも,印象が少ない。

とっつきは良さそうなので,今後に期待か。

 

高橋慶太郎著「デストロ246」

★★★☆☆

ヨルムンガンド」の作者の作品です,と言った方がわかり易いかも。

女の子×バトル系の漫画で,ヨルムンガンドの萌的要素のみ抜き取った感じの漫画か。

それゆえに,ヨルムンガンドよりニッチな層に受けそうな雰囲気。

ヨルムンガンドの女性キャラに魅力を感じる方なら万歳三唱,

それ以外の方ならちょっとおすすめは出来ないかもしれない。

ミリタリー的要素はあまりない。

 

梅田阿比著「クジラの子らは砂上に歌う

★★★☆☆

少女マンガ系の絵柄だが,独特のいい雰囲気を出している。

・・・が,あと一歩足らないような気がするのは当職だけか。

ストーリーも展開も描写も,

いささか少女漫画臭が抜けきらず,

それゆえにせっかくのストーリーについてパンチが足らない。

絵柄や雰囲気はそのままに,展開やストーリーをジブリ系に昇華させていった方がいいのではないか,と個人的には思う次第である。

 

山口貴由著「衛府の七忍」

★★★☆☆

シグルイ」の作者の作品と言った方がわかり易いか。

良くも悪くも,絵柄,雰囲気は「シグルイ」の残酷系を踏襲している。

したがって,「シグルイ」が合う人には合うと思われる。

ただ,原作のあった「シグルイ」と比較すると,

少々ストーリーの厚みに欠けるところがあると思われる。

続巻に期待か。

 

久慈光久著「ヴォルフスムント 狼の口

★★☆☆☆

ちょっと独特の絵柄で,西洋歴史残酷系の漫画。

刺激的な展開,適度なエロとグロ,と言うあたりは当職の好みである。

もっとも,もうワンステップ欲しいところではある。

そのワンステップは,おそらく人物描写ではないかと思う。

登場人物,特に男性登場人物にもう少し魅力的なのがでてくれば,

かなり良くなるのではないかと思う次第である。

 

速水螺旋人著「大砲とスタンプ

★★★★★

可愛い系の絵柄のミリタリー漫画。

以前にご紹介したので,割愛させていただく。

当職としてはおすすめできる作品。

 

岡田屋鉄蔵著「MUJIN-無尽ー」

★★☆☆☆

隻腕の剣豪,伊庭八郎をテーマにしたあたり,

当職としてはテーマ買いしてしまいそうな漫画。

ただ,剣豪系漫画としては狂気が足らず,歴史漫画としては展開が甘い。

往年の劇画系作家の先生方と比較してしまうと,どうしても展開に妙がない。

デッサン力の確かさはあるから,

もう少し狂気性を出してみてもいいのでは。

求道者とは,得てして狂気を秘めているものである。

 

<小括>

1次選考作品はかなり多数あるので,今後も折を見て寸評してきたい。