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【マンガの処方箋】椎名高志著「GS美神 極楽大作戦」

当職、少し反省している次第である。

先月、マンガ大賞関連の作品を多数寸評させていただいたが、

廃人同然の語彙力で、

「雰囲気が~」「グッとこない~」「あと一歩~」

などと、抽象的表現を多発し、

まるで競馬新聞の事前寸評レベルのよくわからなさである。

寸評というにしてもあまりに稚拙な表現で大変申し訳ない。

恐懼している次第である。

 

じゃ、その抽象的な内容を具体化してくれよ、

という話になるのはよくわかるのだが、

こればかりは何とも難しい。

 

今後の課題として、鋭意努力しようと思うところであるが、

一朝一夕でどうにかなる問題でもない。

というか、どうにかなるならさっさとしろ、という話である。

宿題とさせていただけないか。

 

当職のブログは、まだまだ読者が少ないのであるが、

ありがたいことに読んでくださっている方もいる。

大変うれしいことであるし,励みにもなる。

ブログを作るのは初めてなので,

読んでくださっている諸賢にどのように報いるべきなのか,

悩ましいところである。

 

ただ,さしあたり,感謝の気持ちを込め、

当職の思う「雰囲気」を少しでも伝えようと思う。

 

どうやって伝えるがが問題であるが、

1つ,当職が雰囲気を感じた漫画を紹介したいと思う。

 

今回ご紹介するのは,

椎名高志著「GS美神 極楽大作戦」

である。

 

ここまで構えて少年誌の,しかもそれかい!

との声が聞こえてきそうであるが,いやいやなんの。

少し古い漫画ではあるが,

昔読んだことがある方も,まだ読んでいない方も,

興味をお持ちになられたら是非(再度)読んで頂きたい一作である。

 

<成分>

絵柄 ★★★☆☆

良くも悪くも,昔の少年漫画と言える絵柄。

現行の漫画と比較すると,

どうしても古臭さを感じてしまうのは否めないかもしれない。

読みだすと気になることはないと思う。

 

ストーリー ★★★★★

基本的には,複数話で一つの話が完結するが,

時に長編にわたるケースもある。

タイトルのとおり,悪霊退治という霊的ファンタジーをテーマにしており,

そのあたりは最後まで一貫することになる。

後に詳述するが,一言でいって,

少年漫画として欲しいところを全て備えているといっても過言ではない。

高い水準にあるといえる。

 

バトル ★★★★☆

「軍鶏」のようなリアル路線ではないものの,

一見してどのような動きをしているのかわかり,

かつ,迫力のある展開を魅せることができるあたりは高評価できよう。

 

エロ ★★★☆☆

まぁ,少年誌ですから。

一応,お約束は守っていただけている。

 

<ここが凄い!>

この漫画の凄いところは,冒頭にも記載したとおり,

溢れんばかりの「雰囲気」である。

無論,少年漫画として備えるべき各種の要素,

すなわち,バトル,エロ,恋愛,強さの覚醒,魅力あるサブキャラなど,

全てにおいて高水準を保っていることは勿論,その上で,

何か余韻として残る雰囲気を感じさせる漫画なのである。

当漫画,単行本が39巻出ている比較的長編漫画なのであるが,

全編通じて十分に楽しめるものになっている。

 

<一言進上>

マンガにおける雰囲気とはいったい何なのか。

それは,一言で申し上げると「精神の奥行」ではなかろうかと思う。

例えば,水墨画などを想像してもらいたい。

白紙に白黒の線を一本描くだけで,

そこに靄のかかった山々が精神上に現れるのである。

1つの表現であっても,読み手の想像力に訴えることで,

複数の表現を生み出すことができるのである。

 

少しわかりにくかったかもしれない。

例えば,Aという人物がBという人物と交合するシーンがあったとしよう。

これを表現するのに,キスをして服も脱がせて,嬌声を上げなければ,

交合したことがわからないだろうか。

手をつないだ次のコマには,裸形で寝ているAとBがいて,朝を迎えていれば,

読者はおそらく,嗚呼,AとBは交合したのであろうと想像するはずである。

 

以前に少し述べたが,マンガは画と文章による総合芸術である。

何気ない一コマ,何気ない一言によって,

読者にえも言えぬ精神の奥行を感じさせる作品が,

「雰囲気ある作品」といえるのではなかろうか。

 

<最後に>

今回ご紹介した作品は,ゴリゴリの少年誌漫画でありながら,素材を生かし切った「雰囲気」を感じさせる漫画である。

興味を持った諸賢は,是非とも一度手に取っていただきたい。