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【漫画の処方箋】速水螺旋人著「大砲とスタンプ」

当職は,おっさんになってしまった。

年齢的に,である。

 

子どものころ,おっさんになれば子どもが好きなものは嫌いになると思っていた。

しかし,現実に自分がおっさんになってみると,

以外や以外,結構子どもの頃好きだったものをずっと好きなままでいる自分に気付く。

 

当職は,子供のころから戦車やら飛行機やらが好きだったが,

成人してからも好きであり,

おっさんになっても好きである。

当職がおかしいのか,あるいは男とはそうしたものなのか。

 

さて,おっさんになっても戦車や飛行機などドンパチ系の乗り物が好きな当職,

当然,漫画好きも相まって戦車や飛行機などがテーマの漫画もついつい手に取ってしまう。

幸いなことにミリタリーテーマの漫画は世にあふれており,

大変うれしいのであるが,

どちらかというとミリタリー×萌えテーマの組み合わせが苦手である。

せっかくドンパチするのであるから,

土臭く,むくつけきおっさんが登場してほしいというのが希望である。

それでこそ,戦という雰囲気が出るのではないかと思うのである。

 

では,今回ご紹介する漫画【大砲とスタンプ】は,

さぞむくつけきおっさんが泥と汗にまみれている劇画風の漫画であろうと期待されるかもしれない。

申し訳ないが,先ほど述べた舌の根が乾かぬうちから,

マイルド系のミリタリー漫画のご紹介である。

 

なぜ,これがいいのかという点について成分なども踏まえてご紹介しよう。

 

<成分>

絵柄 ★★★★☆

極めてマイルドな絵柄で,萌えに片足を突っ込んでいるのではないかとの疑いがある。

劇画系が好きならばちょっときついかもしれないが,

ゴリゴリの萌系でもなければ劇画でもなく,丸っこい描き方が読み手を選ばないので,副作用の心配が少ない。

 

ストーリー ★★★★☆

短話終了系で壮大な目的のないもの。

ミリタリー系だがコメディでもある,とっつきやすい話の展開である。

しかし,随所にミリタリー好きならアンテナが反応するサムシングをちりばめているあたり,ガッツリしたミリタリーマニアも楽しめるいい感じのストーリーである。

これも副作用少なし。

 

エロ ★☆☆☆☆

そもそも,絵柄がマイルドなので,ちびまるこちゃんの絵柄を見て欲情するような猛者でない限りエロの期待はあまりできないと思われる。

なお,ストーリー的には若干エロスが混在することもあるが,絵柄とあっさりしたストーリー展開のため,エロ期待はほぼできないと思ってもらっていい。

 

ドンパチ ★☆☆☆☆

あるにはある。

が,これまたとってもマイルドである。

泥にまみれて塹壕戦をするわけでもなく,敵国の撃墜王と手に汗握るドッグファイトをすることもない。

そういう漫画ではないと割り切ってもらうしかない。

 

<ここが凄い!>

この漫画の凄いところは,<既視感のなさ>である。

当職は,前述したようにミリタリー漫画好きであり,散々色々な同系統の漫画を読んだが,

ミリタリー漫画は,どうにも似たり寄ったり,どっかで見たような話が多いのである。

ところが,この「大砲とスタンプ」は,既視感が全くのゼロなのである。

そもそも,兵站軍(※補給系)をテーマにしているあたりがちょっと珍しいのであるが,テーマ自体が物珍しくても,中身はどっかで見たことがあるような漫画はたくさんある。

この「大砲とスタンプ」は,テーマはもちろん,中身についても既視感ゼロ,目新しいことずくしなのである。

 

もちろん,これまでミリタリーにそこまで興味がない人でも,マイルドな絵柄とストーリーは十分楽しめると思われる。

しかし,最もお勧めしたいのは,ちょっとミリタリー系が好きだけれども,似たようなミリタリー漫画は食傷気味という耐性のついてしまった方に是非読んでいただきたい。